前回の記事ではそもそも『建設業許可は必ずしも全ての建設業を営む者が取得しなければならないものではない』というお話をしました。
今回の記事は「うちは軽微な工事以上の金額で請負えるようになりたいし、建設業許可を取得したいなあ」という方に向けた最初の記事になります。
ズバリ!建設業許可申請に必要な書類を教えて!
これでズバリ答えられるようであれば、この記事をご覧になっている方もおられないでしょう。よくわからない。よくわからないから簡単にまとめてくれているページを探している。そういう人が多いのではないかなと思います。
なぜズバリお答えするのが難しいかというと、申請する人によって実際に必要になる書類が異なってくるからです。また、追加で書類を提出する必要が出てくるケースもあるでしょう。
そんなわけで今回は『具体的ではないけれど、必要な書類のイメージを掴む』ことを目的にお話しします。『具体的だけど面倒くさく感じてしまう』ものも、また今度書きます。イメージを掴んでからのほうが具体的な書類のほうも理解がしやすいと思いますので。
一番重要なのは要件を押さえること
要件という語句が耳馴染みのない方も多いと思われますので説明をしますが、これは簡単に言えば『必要な要素・事実のこと』です。建設業許可の申請においてもこの要件というものが定められており、提出する書類はこの要件を満たしていることを証明するためのものを多く含みます。そしてこの要件さえ満たすことができれば、よほどのことがない限りは許可は下ります。
ところがこの建設業許可の要件、あっちでは4要件と言っていたりこっちでは6要件と言っていたり、5要件と言っているところもあります。この違いについてまずお話ししましょう。
まず最初に知っておいてほしいのは、令和4年現在は『5要件という理解が一番シンプルなもの』だということです。4要件と書いてある記事は最終更新が何年になっていたか確認されましたか?おそらく令和2年度の建設業法改正前のものではないかと思います。そこに欠けているのは『適切な社会保険の加入』という項目です。
では6要件としているところは逆に何が増えているのか? これは『欠格事由』と呼ばれるものです。5要件は「これを満たせば許可が出せるよ」という積極的要件なのに対して欠格事由は「これに該当している人に許可は出せないよ」といういわば消極的要件となります。このあと説明しますが、実際は5要件の中にも消極的要件が含まれていますから、欠格事由を6つ目の要件として数えることは実務上重要な考え方かなと思います。
ともあれ、これからお話しする6つの要件を証明することが、大量の書類を作成する目的だとお考え下さい。
建設業許可の6要件
(ぜひ前回の記事をご覧になってからお読みください)
①常勤の専任技術者
②経営業務の管理責任者
③財産的基礎
④適切な社会保険の加入
⑤請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと
⑥欠格事由に該当しないこと
建設業というお仕事は多くの人の生活や命と関わる重要なお仕事ですので、まず技術力(①)が求められますし、施工した建物同様長く経営できる経営能力(②)が求められます。また万が一に備えて相手方を救済できる財産的な基盤(③)も必要です。適切な社会保険の加入(④)は労働環境を改善し魅力ある職場となってほしい、建設業界の人材不足や高齢化に歯止めをかけたいという社会的な要請と言えるでしょう。⑤の『おそれが明らか』とはどういうことかというと、過去数年間で実際にトラブルを起こしているかどうかということです。
最後の⑥の欠格事由に関しては14の項目が規定されています。説明が手間なので5要件としてしまう人もいるだろうとは思いますが、欠格事由に該当すれば許可を出すことはできないので、要件として挙げておいた方が間違いがないかなと思います。欠格事由は社会的な制裁や行政の要請という観点で理解するのが良いでしょう。
記事の終わりに法令検索からの抜粋を載せておきますので、気になる人は目を通してみると良いでしょう。
まとめ
・建設業許可申請の添付書類は要件を満たしていることを証明するためのもの。
・要件を満たせば許可は下りる。(自分に何が求められているかを意識する)
・欠格事由に該当する場合は許可を出すことはできない。
今回の記事を端的にまとめると上記3点になります。
次回は建設業許可申請の準備をテーマにお話ししようと思います。